あなたは不動産開業後の運転資金のことで悩んだりしていませんか?
以下は、このブログ読者からのコメントです。
開業資金は180万で諸々の手続きが完了したとありましたが、運転資金はどの程度ご用意されてましたか?(もちろん多いに越したことないですが…)
というわけでこの記事では、不動産仲介業、開業後の「運転資金」についてお伝えします。
私の事例が参考にならない理由
まず前提として、私が運転資金をいくら用意していたかということは、あなたがいくら運転資金を準備すれば良いかということの参考にはなりません。
なぜなら、あなたが必要な運転資金の額はあなたにしか分からないからです。
詳しいことは後述するとして、私は、運転資金を準備して開業したわけではありませんでした。
と言うより、むしろ「お金の準備」は全くしていなかったのです。初月からバンバン売り上げを立てるつもりでしたから。
余裕でやれると思って独立開業しました。
ところが、実際には全く売り上げが立たないまま、数ヶ月間を過ごすことになりました。
「ああ、もうダメかもしれない」
そう感じた、8月。家族みんなを連れて海に行きました。
家族と一緒に過ごす時間を作るために独立したのに、独立してからというもの、家族と一緒に過ごす時間を持てていなかったことに気づき、愕然としたからです。
廃業も考え「もしかしたら最後の家族サービスになるかもしれない」と思いながら、車を運転していたことを今でも覚えています。
先が見えない中で、口座の残高が毎月減り続ける「あの感じ」は、一度でも経験した事がある人なら「二度と経験したくない」と言うはずです。
この時期の私は、使うつもりがなかった貯金を切り崩し、何とか繋いでいました。会社員時代の私には想像できない恐怖を味わいました。
結果的には、それでも何とか軌道に乗せることができて、今に至ります。
私の場合、運転資金は「準備していた」のではなく「手元にあった貯金でたまたま何とかなった」と言うだけです。
「資金は多いに越したことはない…」は間違い
何もわからない開業時、資金に余裕があるのは、かえって良くないと私は思います。
使わなくていいことや、変なことにお金を使ってしまうからです。気が大きくなってしまって、カネを使うことに対する『真剣さ』が足りなくなります。
カネがないからこそ、知恵や工夫でなんとかしようというやる気が湧く。
逆に言えば、本当は必要な資金が足りていないのに、足りていると勘違いして、本来使わなくて良いことにムダに金をかける、、、という事態にもなりかねません。
そうならないために、自分にとって本当に必要な運転資金を把握することが大事です。
必要な運転資金の計算方法
- 生活費を把握する
- 経費を把握する
- 現金化するまでの費用(時間)を把握する
- 売り上げを把握する
自分の生活費はいくら必要か?
まずはあなたが1ヶ月にいくら必要なのか、生活費を書き出してみましょう。
例えば・・・
- 家賃
- 食費
- 服
- 趣味(娯楽)
- 雑費
- 家族にかかるお金 など
他にも、、、
- 保険料
- 光熱水費
- 通信費 など
これらの合計が、あなたが1ヶ月で稼がなくてはならない最低限の金額です。
もっと削れるところはないでしょうか?
ちなみに保険・光熱水費・通信費の一部(または全部)は経費として計上することで、個人の生活費から切り離すことは可能です。
営業経費(固定費+変動費)をどれだけかけるのか?
1ヶ月にどれだけのカネを使って、どれだけの売り上げを上げるつもりですか?
例えば広告費。
買い客なら、
ポータル掲載数→想定問い合わせ数→想定成約数 など
売り客なら、
一括査定サイト反響数→想定媒介契約数→想定成約数
チラシ→ 想定媒介契約数→想定成約数 など
これらを予想・検討し、金額とスケジュールをはじき出します。
売上=即金ではない
売り上げが現金化するまでのことも考える必要があります。
3000万円の売買取引なら、両手で192万円、片手でも96万円の仲介手数料が手に入ります。ただし、すぐに現金は入ってきません。
実際に現金を手にするまで、乗り切るためのカネは手元に残しておかなければいけません。
現金化するまで必要なのは1ヶ月?それとも2ヶ月?
実際どれだけ売るの?
①と②と③を足した金額以上の売り上げをあげられるなら、事業を継続することは可能です。
1件の売買仲介をまとめるのに、どれだけの時間がかかるか、どれだけの経費がかけられるか?
1ヶ月で1件売るのか、2件売るのか?2ヶ月で1件売るのか、3ヶ月で1件売るのか?
これらは人によって様々です。
生活費30万円の人なら、営業経費を60万円かけても、3000万円の物件を月に1件ずつコンスタントに売れるなら、手元に現金がなくてもやっていけます。
半年間、一年間、まったく売り上げが立たないなら、それだけの運転資金を手元に用意しておく必要があります。
まとめ
結局、金額いくらの物件の取引をどれだけまとめられるか分からなければ、必要な運転資金は算出できません。
ここであなたは「不動産業の経験がなくて、どんな物件が扱えるのか、どれだけ売れるか分からない」と、思ったかもしれません。
冒頭の読者からも、こんな質問が届いています。
取り扱い物件に関してはどのように営業されたのでしょうか?飛び込み営業?ですか?
取り扱い物件をどうやって集めるか、その答えは『誰も教えてくれなかった一人不動産屋開業マニュアル』にすべて書いています。
コメント