不動産を売却するために「価格査定」を行います。
ここでは未経験者でも出来る価格査定のやり方と、そのポイントをまとめました。
不動産価格査定の大前提
価格査定の具体的なやり方をこれから説明しますが、その前にまず次のことを踏まえてください。
不動産屋として行う価格査定は2つの大前提があります。
- 査定価格の算出方法にきまりはない
- 「正しい査定」が目的ではない
私たち不動産屋が行う不動産価格査定は、不動産鑑定士が行う鑑定評価とは根本的に異なります。
査定価格は評価額ではなく、売却できる可能性が高い予想価格をお客さんに提示するものです。
算出する査定額に正解なく、査定の方法にも正解はありません。
宅建業法にも「宅地建物取引業者は、前項第二号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。」とあります。
つまり価格の根拠さえ論理的に説明できれば良く、査定方法に決まりはありません。
そもそも、私たち不動産屋が行う価格査定の目的は「正しい査定価格」を算出することではありません。
- 不動産屋にとっての不動産査定=売買につながる不動産の媒介契約を獲得すること
- 依頼者(売主)にとっての不動産査定=売却計画を進めるかどうかを判断するための資料
2つの目的の違いを忘れないようにしましょう。
査定価格の正確性だけにこだわってしまうと、査定書を作っただけで終わってしまい、結局売り上げにつながりません。注意してください。
価格査定マニュアルを利用する
それでは価格査定の具体的なやり方を説明します。
査定方法に決まったやり方はありませんが、だからと言って、売主に適当な金額を伝えてはいけません。宅建業法に記載があるように、根拠が必要です。
そこで利用するのが価格調査マニュアルです。
マニュアルといっても文書ではなく、宅地建物取引業法に基づき査定価格の根拠を明示する手法として(公財)不動産流通推進センターが作成しているWEBサービスです。
国土交通省も価格査定マニュアルの利用を推奨しています。
詳しい使い方とサービスへのアクセス方法は既存住宅価格査定マニュアル利用の手引き.pdfに載っています。
ちなみに全日本不動産協会の会員になると、全日会員支援ポータルサイト(ラビーネット)から価格査定マニュアルにアクセスできます。
利用料金(税込/年間)は初年度3,240円、2年目以降2,160 円です。(2019年4月現在)
全日会員はラビーネットから利用登録を行うと、価格査定マニュアルを初年度2,700円で利用できます。
不動産査定書作成サービス
実はこの価格査定マニュアルよりも簡単に査定書を作れる有料サービスが、いまは数多く存在します。
すべてを紹介することはでませんので、ここでは全日会員が利用できるラビーネット不動産査定を紹介します。
価格査定マニュアルと同じように、インターネットのブラウザ上で利用できるWEBサービスです。
2つの違いは、価格査定マニュアルは比較対象の物件を自分で見つける必要がありますが、ラビーネット不動産査定はその必要がありません。
物件の大きさや築年数、場所などを入力すると、周辺の物件データをもとに査定価格を瞬時に計算してくれます。
料金はかかりますが、ラビーネット不動産査定は他の有料サービスと比べても安く使えます。
こういうサービスを利用すれば業界未経験者でも、見栄えの良い価格査定書を簡単に作ることが出来ます。
不動産価格査定の注意点
なお不動産の価格査定書を提示する際には、次の点に十分気をつけてください。宅建業法違反になる可能性があります。
注意点
- 査定で報酬を得てはいけない
- 鑑定評価ではないことを明記する
まとめ
価格査定のポイントは、正確な価格を出すことではなく、あくまでも媒介契約につなげるための査定ということです。
もっと詳しいアドバイスが欲しい方は下のコメント欄からお問い合わせください。
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