- 上司のパワハラ、ノルマが厳しくて不動産営業を辞めたい
- 長時間労働が当たり前で自分の時間がない
- 「次の契約どうしよう…」不安が頭から離れない
職場環境がひどい不動産会社で働いているなら「辞めたい」と感じるのは当然です。
この記事では不動産営業を辞めるべき理由と、辞めたい場合の具体的な対応方法について詳しくお伝えします。
- いまの職場を辞めるべきか続けるべきか
- 後悔しない辞め方
- 収入面と自由な働き方を両立させる方法
<プロフィール>
- 1人不動産会社の代表取締役
- アラフォーになってから未経験で不動産屋を開業
- ゆるく長く商売を続けることが目標
不動産営業マンはうつ病リスクが3倍!職場を辞めるべき3つの理由
過酷な環境で働くことはデメリットしかありません。健康を最優先で考えるなら「ブラックな職場は早く辞めた方が良い」という結論がすでに出ています。
- 職場の雰囲気が悪い場合はうつ病になるリスクが3倍
- 週に40時間以上働く人はうつ病になるリスクが上がる
出典: BMJ Open, 2021.
調査によれば、安心感のない職場で働くことや長時間労働は、健康に大きな悪影響を与える可能性があるとされています。
不動産営業職に当てはめると、以下の点が健康リスクとして浮かび上がります。
心理的な安全性が低い環境
厳しいノルマや成果主義の文化が強い不動産業界。会社によっては社内の競争が激化し、同僚や上司との間に信頼関係を築くのが難しい場合があります。
- 個々の売上目標が重視され、社員同士が協力し合わない
- 営業ノウハウや顧客情報、物件情報を共有しない
- 部下は上司の指示に従うしかない
- 営業成績が振るわない社員に対する過剰な叱責
心理的安全性が欠如した働き方を続けると、過大なストレスで病気になります。
長時間労働の常態化
不動産営業は、顧客対応や物件の案内、契約交渉などが営業時間外にも及ぶことがあります。週40時間以上の労働が日常化しているケースも少なくありません。
- 個人のノルマを達成するための残業
- 夜遅くの電話や、メールのやりとりなどの顧客対応
- 上司から急な指示で翌日までに対応が必要な案件を任される
- ノルマ未達の懲罰的な残業や休日出勤
不動産営業はプレッシャーの大きい仕事です。長時間働くことが続くと、体だけでなく心にも深刻な負担がかかり、最終的には健康を損ねる危険性が非常に高くなります。
将来への不安
成果次第で収入が大きく変動する不動産営業では、常に「次の契約を取れるか」という不安を抱え続けることが避けられません。
- 「今月の売上目標に届くのか」というプレッシャーから夜も眠れない
- 「次のアポが失敗したらどうしよう」と考えただけで出社が苦痛
- 「契約が取れない自分が悪い」と自分を責める
- 「何も知らないくせに!」と大事な家族に当たってしまう
将来の見通しが不透明な状況が続くと、慢性的なストレスが蓄積し、身体的・精神的健康に影響を及ぼします。
不動産営業マンの多くが「次の契約が取れるか」というプレッシャーにさらされながら、長時間労働を強いられ、さらにキャリアの将来性についても不安を抱えています。
「このままではダメだ」と感じたら、キャリアチェンジを考えるべき時です。 新しい環境で働くことで、心の余裕と生活のバランスを取り戻すことができるでしょう。
不動産業界内転職で失敗するケース
不動産業界での転職を考える際には注意が必要です。単に勤務先を変えるだけでは根本的な解決になりません。
一見良さそうな求人でも、業界特有の労働環境や文化が大きく変わらないため、同じような悩みを繰り返すリスクがあるからです。
不動産業界内転職でよくある失敗例
ノルマが減ると思ったが、さらに厳しい目標を課された
収入が減り、生活が厳しくなった
前職では評価されていたスキルが通用しなかった
人間関係が改善されず、新しい職場でも孤立した
休日出勤や長時間労働が改善されなかった
事前にいくら調べても、転職先の職場環境は実際に働いてみないと分かりません
不動産営業職は、どの職場でも構造的に同じようなプレッシャーや負担を抱えやすいのが現実です。この構造を理解したうえで、自分に合った別の道を探すことが必須。
他業界の転職 メリット・デメリット
不動産業界は高収入を得やすい分野ですが、他業界に転職して同水準の収入を得ることは至難の業。その点を理解した上で転職活動を進める必要があります。
高収入の仕事を維持するのか、それとも働きやすさや精神的負担の少なさを重視するのか、自分の基準を明確にすることが大切です。
他業界で不動産営業と同じ水準の収入を得るには、以下のような職種が挙げられます。ただし、いずれも求められるスキルや経験が高く、競争が厳しい現実があります。
- IT業界 高度なIT知識や営業スキルが必要。技術的な経験がない場合、習得に時間を要する。
- 金融業界 投資や保険商品を扱うため、金融リテラシーと顧客関係構築能力が重要。業界内の資格取得が必要な場合も多い。
- 保険営業 成果次第で高収入が可能だが、契約数や継続的なフォローが収入に直結。新規顧客開拓が難しい。
これらの職種は、不動産営業と同等かそれ以上にハードな働き方が求められます。特に未経験で挑む場合はさらなる努力と覚悟が必要です。
次のような問いを自分に投げかけて基準を明確にしましょう。
- 高収入を最優先するのか?
- 収入以外の働きやすさや精神的な負担軽減を求めるのか?
他業界転職を成功させるには、自分の基準軸を持ちましょう
不動産営業を辞めた後に選びたい意外なキャリア3選
不動産営業で培ったスキルや経験は、さまざまな分野で活かせる貴重な財産です。しかし、長時間労働や高いプレッシャーに疲弊し、より働きやすく精神的な負担が少ない仕事を望む方も多いはず。
そこで、不動産営業の経験を活かしつつ、働きやすさや精神的な安定を手に入れやすい仕事を3つご紹介します。転職を考える際の参考にしてみてください。
コールセンター(カスタマーサポート)
製品やサービスの使い方や特徴を丁寧に説明する顧客サポート職は、不動産営業で培った提案力や説明力を活かしやすい仕事です。特に、顧客の悩みを聞き取り、適切な解決策を提供する能力が求められるため、不動産営業で培った経験がそのまま活きる場面が多いのが特徴です。
一方で同じコールセンターでも、クレーム対応が主な場合は、ストレス耐性や問題解決能力がより求められるため注意が必要です。
仕事内容
- お客様からの問い合わせに対応し、製品やサービスの使い方を丁寧に説明する。
- 質問に応じて詳細で具体的な活用方法を提案する。
- 資料送付やシステム設定のサポートなど、電話やPCを通じた業務が中心。
- 顧客の不安を解消し、満足度を高めるためのコミュニケーションが重要。
不動産営業の経験が活かせる理由
- 顧客のニーズを引き出す力
不動産営業で身につけた「顧客が本当に必要としていること」を掘り下げるスキルは、顧客サポート職においても重要です。たとえば、お客様が何に困っているかを聞き出し、それに合った具体的なアドバイスを提供する場面で力を発揮します。 - 分かりやすい説明力
不動産営業では、複雑な契約内容や物件情報をお客様に分かりやすく説明する必要があります。この経験は、製品やサービスの使い方を言葉で簡潔に伝える際に大きな強みになります。 - 顧客との信頼関係を築く力
不動産営業の現場で鍛えられた「顧客に安心感を与えるコミュニケーション能力」が、サポート職での対応にそのまま役立ちます。
コールセンターに転職するメリット
- ノルマがない
→ 売上目標がないため、数字に追われるストレスがなく、お客様対応に専念できる。 - ワークライフバランスが取りやすい
→ 勤務時間が安定しており、長時間労働が少ない職場が多い。
コールセンターに転職するデメリット
- 単調な作業に感じることがある
→ 同じ内容の問い合わせが繰り返されることもあり、ルーティン業務になりがち。 - 顧客対応の精神的負担
→ クレーム対応ではなくても、説明が難しい場面や対応に時間がかかるケースがあり、ストレスを感じることがある。 - キャリアの広がりが限定的
→ サポート職に特化したスキルが増える一方、別の職種への転職やキャリアアップが難しい場合がある。 - 収入面の課題
→ 歩合がある不動産営業と比較すると収入が抑えられるため、高収入を目指すのは難しい。
コールセンター(顧客サポート)職は、不動産営業で培った顧客対応力や説明力を活かしつつ、ノルマのない働き方を実現できる仕事です。一方で、業務がルーティン化しやすい点や収入面での限界には注意が必要です。
»人材業界で30年以上!豊富な実績と経験のKOSMO(コスモ)※こちらで空調メーカーのコールセンタースタッフを探しています。勤務先は<東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県>
スーモカウンター(住宅アドバイザー)
スーモカウンターのスタッフは、お客様の希望条件をヒアリングし、住宅購入や注文住宅を検討しているお客様をサポートする仕事です。
»【スーモカウンター】住宅アドバイザー求人情報(旧リクルート住まいカンパニー)
スーモカウンターの仕事の特徴
- 提案スキルがそのまま活かせる
不動産営業で培ったヒアリング力や提案力が、顧客の要望を的確に捉えるカウンセリングに直結します。 - ノルマがなく、お客様第一で働ける
個人売上の目標がないため、数字に追われるストレスから解放され、お客様の満足を最優先に対応できます。 - 未経験者でも始めやすい
入社時から充実した研修が用意されており、住宅の専門知識がなくても安心してスタートできる環境が整っています。
スーモカウンターに転職するメリット
- ワークライフバランスの充実
→ 年間休日130日以上、個人ノルマなしの環境でプライベートの時間を確保できます。 - チームで協力して働ける
→ 営業と違い、個人戦ではなくチームでお客様をサポートする体制です。
スーモカウンターに転職するデメリット
- 営業成績に応じた高収入は期待できない → 不動産営業ではお客様に納得してもらい契約を取れば高収入が期待できましたが、スーモカウンターでは固定給が中心のため、成果に応じた収入の大幅な増加は期待できません。
- 達成感が薄い → 前職では契約を取ると収入が増え、それがモチベーションになりましたが、スーモカウンターでは成果が収入に反映されにくいため、やる気につながりにくいことがあります。
スーモカウンターのスタッフは、不動産営業経験者が得意とするスキルを活かしつつ、働きやすい環境でキャリアチェンジを目指せる仕事。お客様第一で仕事を進めたい人におすすめです。
独立開業(一人で不動産屋を開業する)
すべてを自分で運営するため、営業活動から契約手続き、マーケティングまで幅広い業務を担いますが、その分、自分のアイデアやタイミングで進められるのが大きな魅力です。
上司の指示でやる場合と、自分で考えて取り組む場合では、同じ業務内容でも仕事への感じ方がまるで違います。
やってることは同じはずなのに、まったく別の仕事に感じますよ
指示された業務は「義務」としての色が濃くなりますが、自分で考えて行う仕事は、その結果がダイレクトに自分の成長や成功に結びつくため、やりがいや楽しさが格段に増します。
独立して一人で開業するメリット
- 自由な働き方ができる
→ 上司の指示やノルマがなく、自分のアイデアやペースで仕事を進められる。 - 収入アップの可能性がある
→ 自分の努力次第で収入を大きく増やせるため、高いモチベーションを保ちやすい。 - これまでの経験が活かせる
→ 営業で培ったスキルやネットワークをそのまま独立後に活用できる。
独立開業のデメリット
- 開業準備が必要
→ 独立するまでに必要な準備を初体験することになる。 - 初期の収入が不安定
→ 開業初期は顧客基盤が整っていないため、収入が安定するまで時間がかかることがある。 - 多岐にわたる業務を一人でこなす必要がある
→ 営業だけでなく、事務処理やマーケティング、経理など幅広い業務を管理しなければならない。
未経験者でも可能な分野だからこそ、業界経験がある場合は独立への道が一層スムーズになります。独立当初は収入が安定しないこともありますが、工夫次第で十分に乗り越えられます。
不動産営業マンのキャリアプラン比較表
次のキャリアを選ぶときは、「どれだけ稼げるか?」「時間の自由は?」「ストレスはかかるか?」が重要な判断基準となります。
この比較表では、不動産営業職(ブラックな職場)、コールセンター、スーモカウンター、不動産屋を開業した場合の4つの選択肢をまとめています。それぞれの特徴を比較し、あなたのライフスタイルや価値観に合ったキャリアを選ぶ参考にしてください。
ブラック営業職 | コールセンター | スーモカウンター | 不動産開業 | |
---|---|---|---|---|
高収入 | ||||
労働時間 | ||||
ストレス度 |
例えば、不動産営業職(ブラックな職場)は高収入を得られる可能性がある一方で、長時間労働や高いプレッシャーが大きな負担に。一方、コールセンターやスーモカウンターは時間の融通が利きやすく、精神的な負担も少ないものの、収入面では物足りなさを感じるかもしれません。
不動産開業は、収入と時間の自由度が高く、自分のペースで働けるのが大きな魅力です。もちろん、初期の努力や安定するまでの計画性が必要ですが、その分得られるメリットは非常に大きいと言えます。
安全な職場選びと最適なキャリア選択
危険な職場は早急に退職し、自分に適したキャリアを選ぶことが重要。ブラックな職場環境は健康や生活に深刻な悪影響を及ぼします。
- 不動産営業職: 高収入の可能性がある一方、長時間労働や高いプレッシャーが大きな負担となります。
- コールセンターやスーモカウンター: 時間の融通が利き、精神的な負担は少ないですが、収入面での制約を感じるかもしれません。
- 不動産開業: 収入と時間の自由度が高い反面、雇われていた時の年収を超えるかどうかは、自分の工夫次第。
自分のライフスタイルや価値観に最も合ったキャリアをぜひ見つけてくださいね。
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